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「うぇ!? そんなことってあんの!? そしたらウチめっちゃヤバイじゃん! 投手あと晋しかいねぇ!!!」
一哉からの報告を受けて飛び上がる芳川。うるさい。
「ん~、でも不思議と負ける気はしないんだよなぁ。晋は調子良さそうだし」
一哉がこんなこと言い始める。楽観的すぎないか? 他の周りの人達なんて、あわてふためいているというのに。さっきなんか、気絶してた奴いたぞ。
「なんで調子がいいってわかるんだ? やっぱ捕手の勘ってやつ?」
俺は思ったことを口にしてみる。だって今まだ投球練習してるだけだぞ。観客席からは調子なんてわかるわけないのだ。
「いや、今朝晋が言ってたんだよ。夢で死んだひいおじいちゃんから、「晋よ……お前は今日世界の王になるじゃろう……しっかりやるんじゃ」って言われたんだと」
「ずいぶんとエキセントリックなおじいさまだこと!!!」
――くそ、俺まで緊張感が欠けてきやがった。
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