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「…………」
はぁ……。
……やかましい。
電話の向こうで何を騒いでるんだあの人は。
僕は今から、お楽しみの時間だったんですよ……。
なんなんだ……一体。
温厚なハズの僕も(え?なにか?)さすがに、微かな殺意を覚えます。
そもそも同じ寮舎にいるのに、なんで電話をしてくるんだ。
とはいっても、
感情豊かなユチョニひょんが、こうやって騒ぐのはいつもの事。
そして今回は、
内容が内容だけに僕も少し興味をそそられた。
「ジェジュンひょん……。すみませんが、ちょっと待ってて貰えませんか?」
受話器の部分を押さえ、そう告げると、
ジェジュンひょんは僕の体の下で少し首を傾けた。
大きな黒い瞳をパチパチさせて。
「ユチョン?」
「……ええ」
「まったく…どうしようもないね…泣き虫デコちゃんは」
ジェジュンひょんは呆れたように言う。
それを聞いて僕も少し笑った。
「すぐ戻ってきますから」
「うん。いいよ?…待ってる」
唇を近づけるとヒョンはそっと瞳を瞑る。
チュッと唇を啄むように口づけるとひょんは幸せそうに微笑んだ。
「早く戻ってきてね。チャンミン」
首に腕を絡ませて可愛らしく言った。
僕はそれに軽く頷くと、電話の向こうのウサギさんにすぐ行くと言う旨を告げ、携帯を切る。
そして脱ぎ捨てていたTシャツを手に取り腕を通した。
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