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バタバタバタバタ… ガチャッ!! 「桃ちゃん!」 「春くん!仕事は!?」 「娘が産まれたっていうのに、家なんか建ててられるか!!」 「もーっ!春くんったら~!」 「で、子供は?」 「私の横にいるじゃん!」 「わおっ!ちっちぇ~!」 「名前決めてくれた?」 「いろいろ考えたんだけどさ~」 「決まってないの?」 「はい…。春っぽい名前にしようとは思ってる!」 「春っぽい名前?」 「桃ちゃんは桃子だしー、俺は春樹じゃん?春にちなんだ名前じゃん!」 「あー、そだねー。」 その時ふわっと風が吹いた。 半分開けた窓から桜の花びらが入ってきた。 桜の花びらはクルクルと旋回しながら、ベッドの上に落ちた。 「さくら…。」 「えっ?あー、外では桜が満開だね~。窓閉めよっか?」 「そーじゃなくて!」 「ん?」 「名前、さくらはどう!?」 「うん!春っぽい!」 「平仮名でさくらがいいな!」 「いいじゃんいいじゃん!可愛いよ!」 こうして私の名前は、 さくらに決まった。 パパが23歳。 ママが21歳のときの、 初めての子だった。 .
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