第十五章

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「なんか疲れちゃった」 背をもたれ、溜息をつく亜希。 「ここ、出ない?寒いのよね」 空になったコーヒーカップの縁をなぞって、微笑んでいる。 「散歩でもしましょうよ」 亜希が静かに立ち上がると、リツカと私も立ち上がる。 レジで亜希がお金を払うのを待った後、店を出る。 「ルカちゃん」 「あ、はい…」 「リツのこと、好き?」 それがあまりにも優しい声色で、なんだか不自然な感じだ。 「…はい」
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