バカとクリスマス

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俺は、テーブルを挟んで向こう側にいる委員長に向かって身体を乗り出すような形になって、自分の左手を委員長の額に当てた。 「ん~………あれ?今、上がったような~変わらないような~」 顔はさっきより赤くなっているのは間違い……だったかな?いや、俺の目が悪くなったのか?分かりゃんじぇよ?? 「あっ、すみません。で、委員長?勉強がどうたらこうたらって言ってましたけど……」 「何でもないです!さっ、早く勉強してください」 さっきから怒られてるっぽい、ような気がする?今日の委員長は情緒不安定なのかな? 「う、ういっス……」 勉強を始めると委員長の顔があからさまに不機嫌になり、雰囲気が重くなる。 遂に、俺の手は止まった。時間にして、ものの三分。俺の目の前に難問『漢文』が出現した。 「委員長、解んないっス。教えてくれませんか?」 「し、仕方ないですね。今回だけですよ」 とか、言って、毎回教えてくれる委員長は優しいな~。っつーか、俺は楽だな~。
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