バカとクリスマス

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いつもなら、委員長ん家を分岐点になり委員長と柚は俺一人になって帰るのだが、今日は委員長も柚もこっちである。 「委員長、このあとなんっスけど……家に来てもらえないないっスか?」 「あっ、大丈夫です!!」 今まで暗かった委員長の顔が、ぱあぁ~…と明るくなるにつれて、柚の顔が委員長とは逆に険しくなっていった。 「優にぃ?私も行っていいよね」 目が、目が笑ってないっスよ柚。ホントに……リ…ト、マス紙……いやいや、トラウマになっちまうよ。 「わかった…、が。二人とも、姉ちゃんや母さんがいる時は初めてだよね?」 二人とも返事をしつつ、小さくコクリと頷いた。 ウチの母さんは、若い。若いといっても、年齢ではなく容姿が20代に見えてしまうくらいである。バカの俺に対する扱いが酷い、悲しいコトに慣れてしまった。 姉ちゃんは姉ちゃんで若いというか、幼い。ぺちゃパイで背も小さく柚とあまり変わらない。いわゆる、幼児体型の人である。俺とは違い、頭のよく偏差値の高い大学に進学した。 「まあ、あまり驚かないでね」なんて前置きしたりすると余計驚かれたりするから、言わない方がいいな。 どちらかと言えば、俺の方が心構えをしてた方がいいな。 とりあえず、帰ったらなんて罵られるのか……はぁ、鬱だ。罵られるに関しては百戦錬磨の俺だが……今日は………考えるのをやめとこう。 もしかしたら、一汁一菜になってしまうかもしれない。
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