バカとクリスマス

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お茶と煎餅を出して、また同じ場所に戻り今度は同人ソフトの『テト・リストラ』をやるコトにした。 よし、イイ具合になってきた。あとは、縦長中年リストラおじさんかおばさんが来てくれれば……来ないな。 ………中々、来ない。やはり、俺の運なんてこの程度か。あっ、終わる……終わった。 ゲーム機のディスプレイにはデカデカと『GAME OVER』と表示されている。 ガチャ、とドアが開き母大魔王の娘の魔王降臨。魔王は、俺を一度見て委員長たちの方を見て、何もリアクションを起こさないで母さんの方に行った。 姉ちゃんの「へ~、脅されて家に来たんじゃないだ~」や母さんの「私も最初はそう思ってたのよ」など会話が聞こえるが、俺は聞こえないフリを決め込む。 「ねぇ、アンタ?」 「何でしょうかお姉様?」 「私にもお茶!それと、いつものマッサージ!!あと~、一発殴らせて」 「最初の二つは納得するとして、最後のは納得出来ないです。殴る前に何かしら理由を述べてくださいお姉様」 「家族で私だけ、寂しいクリスマスを送るから少しムカついただけよ」 それを殴る前に言ってほしいっス。裏拳(手首のスナップのみ)で鳩尾は弱くても効くな。 「あっ、優太。お茶用意し終わったら、この優太と違って可愛い娘達を連れて来た理由を聞きますからね」 俺の人生もGAME OVERなのかな?
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