バカとクリスマス

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食事に風呂、全ての用事を済ませ、一階のリビングでゲームをやり続け4時間。 コタツで俺らは陣取り、コタツの上にそれぞれのノーパソを広げ、PC用のコントローラーを握りしめて『無限の道(インフィニティ・ロード)』という、オンラインゲームをやっている。 白銀の翼『回復求む』 漆黒の貴公子『まかせんしゃい!!』 紅蓮の一刀『殺!滅!血染め兎(ブラッティ・ラビット)よ!我が礎となるがいい……』 紅蓮の一刀さんは西原です。俺もネットでは多少なりと変わっていると自覚しているが、西原程ではない。 『血染め兎』倒したモンスターや勇者のかえり血を浴びた身体や武器を見て名前がついたらしい。2メートル人型ぬいぐるみの兎で、体力が少なくなると鼻ぐらいの高さまで口が裂ける。レベル58ぐらいで倒せるダンジョンボス。 紅蓮『燃えよ!灰になれ!塵となりて……我が魂に火を灯せ!!¨火炎魔神・憤怒の一撃(イフリート・デスクラシュッ)¨!!!』 PCから繋いでいるイヤホンから、ゴッオオオオ!!と、轟音が耳に響き、自然とボリュームを下げてしまう。 下げたトコロで、隣にいる柚が俺に身体を預けて寝息を発てすやすや寝ているコトに気がついた。 「うっ…眠いです」 姫子は目をしぱしぱとさせて、時折目を擦ったり、手で口を抑え欠伸をしたりしている。 俺らは、やる前に栄養ドリンクを飲んだり、1時間毎に目薬をしっかりして、コーヒーを飲んで眠気覚ましは完璧である。 口が裂けてるし、もう少しだろ?なら、大丈夫かな? 俺は『ちょいと落ちるわ』と、打ってから、柚を俺の部屋のベッドまで運んだ。
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