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2階の自室に柚を寝かした。俺の後ろには姉として姫子がついて来たのだが、姫子も眠そうである。
「姫子、オマエも寝たらどうだ?」
「あうぅ……大丈夫です。優太さん、お気になさらずに……」
本人がそう言ってるんだし、深く追求するのはやめよう。けどな~、姫子ん家のお母さんに怒られそうだしな。
「眠いなら寝る。寝ないと身体に毒だぞ。それに何で寝たがらない、理由でもあるのか?」
「優太さんは何でそんなコト言うですか?」
何でって……。眠くて苛立っていらっしゃるのかな?言葉にトゲがあるような気がする。
「いや、姫子にさ……病気になられると困るんだよ」
勉強や宿題が教えて貰いたいし、柚の暴走抑えて欲しいし。バカな俺や鈴村は困る。
「自分の為じゃなくてさ、他人の為を思ってするコトってあるだろ?」
姫子は顔を赤くしたと思ったら、俯きスーハースーハーと深呼吸し始めた。
「あの……他人って……その……誰の為を思ってですか?」
「ん~、まずは家族でしょ。次に友達で……あとは、大切に思っている人。……ぐらいかな?」
「そうですか……じゃあ、あの、おやすみなさい優太さん」
俺は部屋を出て、一階に向かった。
姫子は柚の隣で寝ようとしているのだが、ドキドキしすぎて一時間以上眠れなかった。
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