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今日は新作ゲームの発売日である。久しぶりの早起きで、しっかりと寒さ対策をした格好で、出かける準備もしっかりとして、玄関を開けた。
「あれ?柚どうした?こんな朝早くから……」
「あれ?優にぃ約束忘れちゃったの?」
約束忘れたワケないだろ。柚の顔が怖くて忘れたくても、昨日夢にまで出て来たんだから。
約束とは、俺の買い物が終わったら柚ん家に迎に行って、それから柚の買い物につき合うのが約束だったのだが、柚が目の前に居る。
「どうした?約束は午後からだったはずなんだが…?」
「優にぃに早く会いたいから……来ちゃった」
帰る気配もなさそうだし、買ったらすぐに帰って、ゲームやろうというプランが無理になってしまったな。
強引に帰れなんて言ったら、泣きそうだし、あの笑顔向けられた……また、リス。トラウマの新たな一ページに追加されてしまう。それは避けたい。
「どうせ、帰れって言っても帰んないだろ?」
「あははっ、ばれた」
俺は財布の中身を確認して、一応キャッシュカードもあったので、ポケットに戻してから歩き始めた。
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