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映画館に着いた俺と柚は何を見るか迷っていた。
「柚、俺は何でも良いからお前が見たいの選びな」
「ん~、恋愛映画も見たいけどホラー映画も見たいな~」
映画は皆で静かに見るべきであるから、今のうちに電源でも切っておこう。
「んっ、やっぱり恋愛映画がいいな。好きな人と見るなら……ね、優にぃ?」
その質問に答える義務は無いんだが、答えなくちゃいけない雰囲気だな。
「いや、俺は好きな人とやる事する事……全てが特別だから関係無いかと……んっ、どうした柚?」
「な、何でもないよ優にぃ」
顔を赤くして『何でもない』はおかしすぎだろ?万が一、億が一、熱でもあったらどうするんだよ?
だが、俺は口を出さない。深い追求は良くないと思うし、デリカシー無し男のレッテルを貼られるのは、ゴメンだ。
「なあ、見る映画も決まったんだし、何食べる?」
「キャラメルポップコーンとメロンソーダ。二つともMかな…」
ふ~ん。金は足りるから問題無しと、問題は席があるかと、隣の人とひじ掛けの静かな戦いにならないかだな。
「そうか……」
俺は柚をその場に待たせ、チケットを買いに行った。
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