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2時間の長い恋愛映画を見終えて、感想は、ひじ掛け戦争に負けた。
映画の内容は、キスしたって所しか記憶に無い。何でキスしたかすらも分からない。
だから、何で柚が泣いているかも知らない。
「柚、良かったのか?」
「うん。久しぶりに映画で泣いた」と、目頭に溜まっている涙を丁寧にハンカチで拭った。
「さて、昼時だし……飯にスっか……」
諭吉さん・樋口さん・野口さん、俺の財布から……今度はどこのレジに逝くのかな?
「ならさ、もう少しあとにしない?」と、財布の中から偉人が消えるコトを考え、鬱気味になっていた俺に提案してきた。
「いいけどさ……ここからは柚に任せるよ」
たぶんだがアクセサリーショップぐらいだろうな。金は……自分で出してくれるだろう。
俺は唯一心配すりゃあいいのは、諭吉さん・樋口さん・野口さんのコトだけだな。
「じゃあ、そうと決まれば……善は急げだよ優にぃ!」
柚は俺の手を掴んだと思ったら、走り出して俺は引っ張られるような形で走り出した。
どっから、こんな華奢な身体から力が出ているんだ?と、悪いと思いながら考えてたら、柚に振り返られ睨まれた。
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