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案の定。姫子と柚の姉妹喧嘩が始まった。柚が悪く、反撃も出来ずに圧倒的に責められ今にも泣きそうである。
俺も悪いかもしれないので、いい加減に止めに入らないと周囲からの目がキツイな。
「優太さん。見事な抑え期待してます」
「いけ優太!これ以上、周りの目が白くならないウチに」
西原瑠璃、またの名は『紅蓮の一刀』も鈴村も俺に押し付けてきた。
いつものコトではあるが、暗黙のルールになっては困るのだが、俺は何も出来なかった。
「まあまあ、姫子も……」
「優太さん。私は今、柚を怒ってるんです!黙ってください!!」
って、言われて『はい、そうです』なんて言えないな。こんな泣きそう柚の顔を見たり、怒っている姫子の顔なんて見たくないし。
「姫子」と言っただけで睨みつけられたが、俺は後ろに下がるコトもなく、口を閉じるコトもなかった。
「俺が悪いのもある。これ以上、怒りたいなら俺を怒れ……それでもダメなら俺が償ってやる」
「………………わかりました。なら、しっかりと償ってください」
「へいへい」とあまり気にせず返事をした。柚の方に身体を向き直し、柚にデコピンをかました。
「いたっ!?何するの優にぃ?」
「バカな俺とは違って、一回で学習しろよ」
弱々しい声で「ごめんなさい」と返ってきた。
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