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俺は柚の手を取り、姫子達から距離をとった。俺以外のメンバーは首を傾げている。
「じゃあ!姫子、鈴村、西原。俺はこれからも柚の買い物につき合うから……」
「ゆ、優太さん!?」と姫子の声や西原と鈴村の『お、お前……』みたいな視線。
みんなは不思議がっているが、俺は逆にみんなが不思議がっているが、不思議だった。
「いや、だって……俺と柚は買い物してる途中で、姫子達も買い物の途中らしいし、ここで別れた方がいいでしょ?」
正論を述べたはずだ。柚は嘘ついてまで俺と買い物に来たんだし、姫子にも用事があるはずだから邪魔するのは良くない。
俺は左手で柚の手を掴んだまま立ち去ろうとしたが、逆の手を姫子に掴まれた。
「どうしたんっスか?」
「………さい。償ってください」
「償うのは分かりましたが、どういった風に償えばいいんですか?」
わーお。姫子さん、どす黒いオーラが湧き出てますよ。
一体何を言われるのか想像したくありません。
「私達も、優太さんと柚のお買い物に同行します。よろしいですね」
いつもは口をはさむ柚でさえ何も言わなかっし、西原と鈴村は楽しそうな顔してるし、姫子からは威圧感出まくりだし。
「はい」ってしか言えない。
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