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戻ってきた二人に鈴村が近寄った。
「お二人」と満面の悪い笑みを浮かべながら、鈴村は俺と篠崎姉妹の間に入った。
「その袋の中身……今日の新作ゲーム?」
「そうだが……西原も買ったはずだよな?もしくは予約しただろ?」
「チッ。予約無しに生産薄って、ネットで書き続けられて有名だったろ?厭味かァ?」
素が出てる。西原さん……それはネット世界だけでお願いします。
「まあいい、篠崎姉妹にバトンタッチしないとな……殺される可能性がありますから」
口調も雰囲気も表情も……人が変わったみたいだ。ネット世界だと当たり前なのに、こう目の前でやられると……。
って、確か~……誰かさんとバトンタッチするとか何とか。
顔を上げる。良く見て、俯いてしっかりと考えてから、もう一度顔を顔を上げた。
「どうされましたか?何かご不満な点でも?」
「へぇ、優にぃって……結構あれ何だんね。お姉ちゃん?」
「そうですね。結構あれ何ですね優太さん?」
あれって、一体何?姫子さんに柚さん、鈴村に何て吹き込まれたんだ?
俺はただ、同じ学校で同級生のネット仲間と会って、お互いの好きなゲームを言い合って、馬が合えば学校でも仲良くと……どこに怒る点があるのやら。
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