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何て言われたから分からないが、口は災いの元って言うし……とりあえず、この怒りの矛先とやらを鈴村に向けりゃいいかな。
「二人とも鈴村の作戦に見事に引っかかっちゃって……」
篠崎姉妹二人とも首を傾げる。なんとも可愛らしく、絵になる光景である。
「このあと、鈴村と一緒にとある場所に二人だけで行こうと思い。お前らが怒るような嘘ついて、隙を突いて……」
「そうですか優太さん。和を少しばかり痛めつけなくちゃいけませんね?」
「優にぃは……嘘ついて無いよね?」
姫子も柚も笑顔が怖いっス。俺は痛いの嫌いだから……嘘を貫き通してみせますよ。ごめんな鈴村。
と、いうワケで嘘を貫き通して鈴村に怒りの矛先が向いた。鈴村はワケも分からずあたふたしている間に、篠崎姉妹の怒りは静まった。
ベンチに満身創痍でぐったりする座っている鈴村。俺は鈴村が怒られている最中も今も笑いを堪えている。
「相変わらず、危機を回避する為の術(すべ)は変に持ってるのね」
「いやまあ、本能かな……」
そろそろ待ち合わせ時間なワケですし、俺は篠崎姉妹には特に何も言わずただ場所を移動し始めた。
満身創痍の鈴村は無理矢理歩かせた。
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