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ガラ―
「あっ、亜美おはよ!」
教室に入って最初に声をかけてきたのが親友の菜月。
唯一信用している存在。
「おはよう菜月!」
それでも私は
菜月にでさえ本当の自分を出さない。
複数の男と関係を持ってることも
本当は亮とも上辺だけの関係だってことも
いや‥
上辺だけの関係は亮だけじゃない。
周りの友達も、そう。
ごめんね、菜月。
なんて
柄にもなくそんなことを心の中で呟いた。
「亜美はいつも錦戸くんと仲良いよね~。どうしたらそんな続くの??私なんか最近別れたし‥」
「んー‥何だろうね?適度に距離あけたりとかしてみたら??」
「えー?距離!?私は無理だなー。好きな人とはずっと一緒にいたいもん」
好きな人‥か。
もちろん私には好きな人なんかいないし
ずっと一緒にいたいなんて思ったことない。
ずっと一緒にいたら
息苦しくならないかな?
1人になりたい時くらい
誰にだってあるでしょ?
「私、うらやましいよ。そんな風に思える菜月が」
「‥?私は逆に亜美の方がうらやましいけどなぁ。なのに錦戸くんとも仲良いし」
上辺だけ、だよ。
私が本当に愛せる人なんていない。
きっと
いや絶対に。
そう思ってた。
私が変わってしまったあの過去のせいで。
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