消したい思い出

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私が変わったのはこの理由だけじゃない。 あの日 私は妊娠したかもしれないってことを彼に告げた。 まだ幼かった私は 妊娠検査薬なんて思い浮かびもしなかった。 本当はただのストレスからくるものだった。 最初からそう思っていれば 彼氏までも失う必要はなかったのかもしれない。 "「‥あのね‥っ。私、妊娠したかもしれないの‥」" 最初は怖かったけど 彼ならやさしく笑いかけてくれると思ってた。 でもそんな考えは甘かったんだ。 その日から彼とは音信不通になった。 学校で会っても彼は完全にシカト。 さらにはもう既に他の女と笑いながら私の横を通り過ぎた。 涙なんか出なかった。 ただ おかしくって笑えた。 いじめの中では1人になった私をいいことに 複数の男に取り囲まれ レイプされそうになったこともある。 そんな中 私はいじめに耐えられなくなり授業中 しんとした教室の中で私は 1番の親友の教科書やらを何から何までを目の前で破ってやった。 それから顔に投げ付けて 「そんなに私が嫌いなら、自分1人でかかってきなよ。卑怯なんだよお前は。次何かしたら、もう私我慢しないよ?」 親友の髪の毛を掴み 嫌みったらしくそう言い放った。 親友は汚い顔して泣いていた。 もう同情なんてできなくて その場で爆笑してやりたかったくらい。 その次の日から私と親友の立場は逆転した。 親友以外の女子達は 私に親切にしてくるし 男子も女子も私が言うことに何も言わずに従う。 バカみたい。 男もこんなに最低なやつなんだ。 みんな 自分が被害に合わないように必死だ。 この時思った。 信じられるのは自分しかいないってこと。 気前をよくしてれば 男は自由自在に操れるってことも。 しょせん自分の本当の気持ちは 自分にしか分からないんだから。 これが 私の変わってしまった理由。
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