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そして翌日彼女は現れました。また菊の花を持って。
ナースステーションの前を通る彼女。私は直ぐに追いかけました。そして彼女が例の病室に入ると同時に私も病室に入り彼女に声を掛けました。
「あの……すいません。少し宜しいでしょうか?」
物凄いスピードで歩いてきた私に驚きながらも、彼女は「はい」と返事してました。
私は例のベッドに彼女を誘導すると、ベッドの上に置いてある不安定な花瓶をベッドについている机に退かすと、彼女をベッドに座るように言いました。
彼女は退けられた花瓶を見ながら、ゆっくりベッドに腰掛けました。
「あの……お話とは?」
勢い良く歩いてきた私は、息を整えていると彼女のほうから尋ねてきました。
私は急いで息を整えると、口を開きました。
「すいません。えっと……あの……凄く言いにくいことなんですけど。なんで貴女は花瓶を誰もいないベッドに飾るのですか?」
「いますよ。彼の魂はここにいるんですよ」
彼女は一定の調子で言いました。
魂?それは幽霊のことでしょうか?いえ、幽霊の筈がありません。幽霊って未練のある場所に残ると聞いたことがあります。
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