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「白蘭さんがなんだって？」
「だから、白蘭が昨日コッチに来るって言っていた。」
「昨日言ったって事は今日来るって事じゃないか！どうしよう何か屁までもしたのかな‥」
「なんでそう思うんだ？」
「だって白蘭さんが来るんだろ？そうしたら重大な用が有るってこと‥あれ‥？」
「相変わらず正一は早とちりだな、何も白蘭が正一に会いに来るとは言っていないのに」
そう口にして楽しそうに笑うスパナの笑みが今はどうしても嫌味にしか見えなくて、ムッと口を結んでから掌を握りスパナのクルリとキレイに巻かれた髪の毛にグーパンチを入れてみる
「ちょっ、正一痛い痛い」
「スパナが悪い」
「分かったから、叩くな」
「次笑ったら本気で殴るからな！」
「はいはい」
「チャブダイ」と書かれている緑色のドラム缶の上に置かれた緑茶を特に意味もなくコップに入れてから、床に座ると立っていた時には気が付かなかった小さな機械音が積み重なった振動が頭に響く。
「何だかスパナの部屋は落ち着くな」
「なぜだ？」
「そうだな‥例えば、赤ん坊が母親の手の内の中で眠るのは小さな振動が有るからだろ？それと同じで機械が揺れる音が多分心地良く感じるんだと思う」
「ふふっ」
「あ、笑ったな」
「あぁ！ごめん。でもさ正一、自分の感じる事を 多分 で締めるの可笑しい」
少し困ったような表情のままそう言って僕に問い掛けるように見つめてくるスパナから目を背ける事は出来なかった。
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