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――――――。
大量の薔薇が白蘭さんの鑑賞だけの為に栽培されている、端から端まで真っ赤な薔薇が一面に。
「なんだい正ちゃん?」
「あっ、いえ何でもないです」
「僕の顔になにかついてる?」
「えっと‥」
「言ってくれて良いよ?」
「‥なにか考え事をなさっているのかと」
「ふふん、正ちゃんはスゴいなー」
「え?」
「その通り正ちゃんの事を考えていたんだ」
鼻を掠めるのは薔薇から香る少しツンとした、嫌いな匂い。
「白蘭さんからかうのはやめてください。」
「本当だよ。実は正ちゃんにミルフィオーレファミリーホワイトスペル第2部隊の隊長になってもらおうかと思ってね」
左目の下に入った三爪の刺繍が時折痛々しく光るときがある。
そう言った時は必ずと言って良いぐらい白蘭さんは楽しそうに笑うんだ。‥ほら今だって
「これあげるね」
右手をゆっくりとられ中指にリングがはめられる。
「有り難うございま――――」
「これからは自分の言動に責任を持って、ローザ隊隊長をしっかりと勤めてね。勿論正ちゃんにはこれからミルフィオーレファミリー日本支部に移動して貰うよ?君の地元に有るから場所はわかるはずだよ」
あれ、何だか息苦しくなってきた
「白蘭さん‥隊長にして頂いた事はとても嬉しく思いますが突然日本に飛べと言われてもまだアレの準備がイタリアで終わっていないんです。それはイタリアじゃなきゃ出来ないと思います‥多分。」
「あれ正ちゃん、ボスに対して随分目線が高いね?いつから僕に歯向かえる様になったの?きちんとしゃがもうか」
足を屈折すると同時に目の前が
真っ白くなって
体が言う事を聞かなくなる
最後に見たのはマシュマロを指で弄びながらこちらを見て笑う白蘭さんだった
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