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目の前に広がるのは青い空
「ここどこ?」
キョロキョロと見回す男の子
ジン「ギルドの屋根の上」
この城の様な建物に屋根という表現が正しいのかわからないが、伝わりはするだろう
ここはジンだけのお気に入りの場所だった
「捕まらないようにしてくれたの?」
ジン「鬼ごっこなんだろ?なら、逃げるもんだ」
そんな会話をしつつ、男の子は目の前の景色を眺めていた
ふと、疑問に思ったことを聞いてみる
ジン「お前…雷帝の子供なのか?」
軽い気持ちで聞いたが、男の子は少し表情が暗い
「………お兄さんは家族いる?」
聞き返された言葉に自分でも不思議な位、動揺した
今まで、学園の奴等に親の事を聞かれても、何てことなしに嘘をついていた…
しかし、今目の前にいるこの子供には嘘を言えない…
サラ、サラ
頭を撫でられる感触
そのまま俯いて黙ってしまっていたジン
「ごめんなさい…泣かないで」
男の子の言葉で自分が泣いていたと気付く
ジン「いや、お前が悪いんじゃない…」
それでも、男の子はジンの頭を撫でていた
ジン「…………俺の家族な、死んだ…いや、殺されたんだ…」
もしかしたら、初めてだったかもしれない
自分の口から家族の死を告げたのは……
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