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「うぐぐ…ぐぅぅぅ…!」
マントがデュラハンの上半身をギリギリと締め上げる、剣と首が手から滑り落ちた、
「おのれぇぇぇ!」
デュラハンの落ちた首は真っすぐバンシーの方を向いている
「今からあなたの記憶を抹消し、下界に封印します」
「なにぃぃぃ!?ふざけるなぁぁぁ!?ぐげげげげぇ!!!」
デュラハンが奇声をあげると、デュラハンの身体から紫色の煙が立ち込めた
締め上げていたマントが次第に緩くなっていく…
それを見たバンシーは、すっ…と息を吸い込み…
「ぐぎゃぁぁぃぁぁぁぉぉぅぇえぇぇぁぁぁぁ!!!!!!」
バンシーは、この世のものとは思えない程の大きな叫び声をあげた、
すると、緩みかけていたマントがまたきつく締め上げられ、紫色の煙も吹き飛んでいった
「今から下界への道を開きます、記憶を消し去ってしまえば、こちらに戻る事もできないでしょう」
バンシーはデュラハンの胸元で印を切る
「やめろぉぉぉ!!」
印を切ると、デュラハンの背後に丸い空間ができた、次第にデュラハンの身体がその空間へと吸い込まれていく
ズリズリとデュラハンが後ろへ吸い込まれて行く
「させるか!」
デュラハンは、とっさに足元に転がっていた自分の首をサッカーボールのように蹴っ飛ばした
飛んでいった首は、バンシーの方へ飛んで行き、バンシーの腕に噛み付いた
「くっ!」
「キサマも道連れだ!」
デュラハンは噛み付いたままニヤリと笑った
やがてデュラハンの身体が吸い込まれ、バンシーごとデュラハンの首も吸い込まれて
二人は完全に丸い空間に吸い込まれてしまった
二人を吸い込んだ後、丸い空間はそっと閉じ、辺りに静寂が戻った
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