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ザァァァァァ…
「今日も雨か…」
鞄に教科書を詰めながら…御坂真夜(みさかまや)は溜息を漏らした
「雨降ってると…いないんだよな……あの子…」
真夜は通学路の途中にある西洋風の屋敷を思い浮かべていた…
色は真っ白で、お城のような外装をしていて、最初は結婚式場かと思っていたがどうやら違うみたいだった
かなり異質な建物だが、妙に周りに溶け込んでいる
そんな事よりも真夜が気になっているのは、その屋敷の窓際にいつも立っている少女だった
最初に気付いたのは一ヶ月程前だが、それから毎日屋敷を通る度に少女に見入ってしまう
「可愛いんだよなぁ…」
グレーの髪の毛に紫色のフリルが付いたドレスのような服を着ていて、髪には薔薇のコサージュが付いている
まるで作りの良い人形のようだ
真夜はその少女を見る度にだんだんと気になり始めていた
しかし今日は生憎の雨…雨の日は何故か少女は姿を表さない…
姿が見えないと何故か落ち着かない…これが恋なのかな…
真夜は僅かな期待を込めて家を出る…
大きな水溜まりを踏まないように足元をチラチラと見ながら通学路を歩く…
もうすぐあの屋敷だ…
真夜の歩幅が大きくなり、次第に速度も増していく…
真夜はいつも少女が立っている窓に目をやった
「……やっぱりいないか…」
さっきの調子とは逆に、足取りは重くなる、名残惜しいように真夜はもう一度振り返る…
「いた…!?」
雨の日なのに窓際に少女が立っていた、真夜は突然の事で心臓の鼓動が急激に早くなり、めまいがする程だった
その少女は、カーテンをシャッ…っと閉めて隠れてしまった
「動いた!」
真夜は感激していた、動いている所を見たのは初めてだったからである
真夜は自然と笑みを浮かべながら学校へと向かった
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