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それは、誰もが見過ごしてしまうほどに小さく、
そして誰もが見過ごせないほどの大きな出来事だった…。
一人の少女ラプランカが、夜の荒れ地で種を見つけた。
小さな小さな一粒の種。
少女は思いました。
"この種を育てたい"
"立派な大樹に育てたい"
しかしこの国には、己が生きる為に必要な水しかなかった。
ラプランカは、自分の飲み水を少し我慢して、種と半分こした。
人々はラプランカをバカにした。
「こんな土地で木なんか育つわけがない。」
「大切な水を無駄にするお前は愚か者だ。」
それでもラプランカは、せっせと種を育て続けた。
そんなある日のこと…
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