始まり

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「…お嬢ちゃん 聞いてるかい?」 ごめん 聞いてなかった とりあえず 聞いてたフリして 聞いてみる 「ここどこですか?」 なんだか夢っぽい 夢でなければ少なくとも 迷子のレベルでは 済まないはずだ 「ここはどこでもないよ。」 いや、 答えになってないって 不満たっぷりの 視線を送っていると 少し笑いながら 「まぁ、気にすることでも ないだろう。」 と、のんきに言った 気にしろよ そんな私の不満をよそに 釣りを再開するおっさん 思い切って 単刀直入に聞いてみる 「これって夢ですか?」 おっさんは振り向きもせず、 当たり前のように答えた 「夢かもしれないし 夢じゃないかもしれない。 お嬢ちゃんが夢と思うなら 夢かもしれない。」 いや、だから 答えになってないって 不満たっぷりに 凝視したのだが 反応がなかった これ以上話しても 不満と疑問が 増えるだけと私は判断 とりあえず辺りを うろついてみる事にした もしかしたら ここがどこだか 分かるかもしれない 小さな島だから 迷う事もないだろう …たぶん
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