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気がつくと、
私は一人、林の中にいた。
さっきまで、家の近くの林の中で友達と遊んでいたのに…。
私は一人。
木々の間からちらちらと太陽の光が
私の顔をまるで遊んでいるように点滅させる。
そんな中、私は林を急いで抜けた。
林を抜けたら、
何時もみたいに私の家があると思ってた。
でも、そこは私の知らない世界だった。
青い空、一面の芝生、
そして遊具のような何か。
そして、その芝生の外、
仕切られた外側には
何かわからない鉄か何かでできたような乗り物?が
速いスピードで走っていた。
突然にわからない世界に来た私は
このわからない世界が恐くなった。
今までに味わったことのない恐怖だった。
それは孤独という恐怖。
林の前で私は崩れ落ち、
泣き出していた。
恐かった。
恐くて恐くて、寂しくて寂しくて、
私は一人、泣きつづけた。
そんな時だった。
「どうしたの?」
泣いていた私に誰かが声をかけてくれた。
私は泣きながら顔をあげた。
「はいハンカチ。」
目の前には私と同じくらいの
男の子が何かキャラクターの
プリントされたハンカチを
差し出してくれていた。
何故か私の涙はその男の子を見ただけで止まってしまっていた。
私はハンカチを受け取ると
目に溜まっていた涙を拭き取った。
男の子はそんな私を見ていた。
やがて私が涙を拭きおえると、
男の子の後ろから
何人かの男の子の友達がやって来ていた。
私は少し困ってしまったが、
男の子の
「いっしょに遊ぼ!」
の一言でいつのまにか笑顔になっていた。
追いかけっこ、かくれんぼ、いろいろ遊んだ。
私はずっと、その男の子と
いっしょにいて、
ずっと二人で逃げたり、隠れたりした。
やがて時間がすぎ、
私と男の子は林の中にいた。
まだかくれんぼの真っ最中で私と男の子は林の中に
隠れていた。
そうしたら、林の中に突然、
女の人が現れたのだ。
男の子はびっくりしていたけど
私はその人を知っていた。
そしてその人は
私に
「早く帰るよ」
といった。
私はやっぱり、別の世界に来てしまっていたみたいだった。
そして、私は帰る時に男の子にお礼とキスをした。
初めてのキス。
別の世界である以上、
もう会えないから…。
そして、
いっしょにいたのは短かったけど
私はその男の子を好きになっていたから。
だから―。
そうして私は元の世界に帰った。
また会えることを願って。
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