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一人、部屋でノートに記録していた少女は記録帳を閉じた。
書いていることを
たまに呟いてしまうのは、
おそらく彼女の癖だろう。
少女は記録帳を机に置きっぱなしにして
部屋の外へと出てしまった。
窓が開いていたからか
風によって記録帳のページが
ひとりでにパラパラと進んでいき、
あるページでぴたりと止まった。
そのページに記されていたのは、
誰だって力があれば強いとか思うかも知れない。
でも、そんなのは強さじゃない。
本当の強さっていうのは
大切なものを護ろうとする気持ち。
護りたいっていう感情。
それがあれば力がなくても
その人は強い人だと私は思う。
もし目の前の敵が倒せなかったとしても、
護りたいもののために
戦う勇気があれば
どんな敵だって倒せる力が
沸いて来るはずだから。
諦めちゃダメ。
私はお兄ちゃんみたいに
大事な人を護るための強さが欲しい。
今度は私がお兄ちゃんを護るために…。
byみぞれ・ヴァンダル
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