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十年前…
アタシが六歳の時に事件が起こった…。
雨がザーザーと降っていた。私と遥人はカッパを着て家の近くの公園で遊んでいた。
「は~る~くん。まどか丘の上に行きたい。」
その頃のアタシは自分の事をアタシでは無く“まどか”とよんでいて遥人の事は“はるくん”とよんでいた。
「うん。行こう!!」
丘の上って言うのは大きな一本の木が立ってあるアタシ達のお気に入りの場所。
ゴロゴロゴロ…
雨は段々と酷くなってきて雷も鳴り出してきた。
「ねぇ、はるくん雨酷くなって来たよ…」
「なに弱気になってるんだよ。まどかが丘の上に行きたいって言ったんだからな」
「そうだけど…」
この時、丘の上に行きたいなんて言わなければ良かった。
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