数字が見えるから拘ってしまう。

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内科では再び食止めの点滴オンリーとなった。一般病棟だったので、自由に売店に行ったり広い病院の敷地内を散歩したりしていた。 8月の暑い陽射しの中、0kcalの炭酸のペットボトル持って、点滴のスタンドをがらがらと押しながらアスファルトの道をぐるりと2周×4が一日のノルマだった。 勤務を終えた私服の看護師らしき人達に、何度もベッドに戻るよう言われたのに、全く聞く耳持っていなかったなぁと… 体重が28kg台になり、それでももっと少ない数字を見たくて運動量を増やしていったっけ。 腕からの点滴ではカロリーが足りなくて、頸の太い静脈から心臓の中心静脈まで15cmほどのカテーテルを入れると、もっと高濃度高カロリーの点滴を入れることができ、また一度入れれば一月くらい挿し直さなくてよいという「中心静脈輸液」に切り替えることとなった。 24時間繋ぎっぱなしだし、流量を調節して血糖値の安定も図るための流量計も併用したため、バッテリープラグから離れられない生活になった。
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