黄泉送り協会

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 同日 午後11時02分 夜も遅いというのに相変わらず都会とは賑やかである。 何軒もはしごして酔い潰れそうなサラリーマン達や、いかにもワルそうな男達もチラチラ見える。 そんな人込みから離れた公園にも人はいた。 男が一人だけである。 彼の手にあるタバコは煙を出していた。 その煙が徐々に空へ向かう様子を彼はボーと見ていた。 そして、ふと呟いた。 「もうすぐ、四十九日か」 そう言い次に彼は足元を見る。 そこには花屋で買った安い花束が置いてあった。
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