カム ホーム

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「悪かったな」 「いーえ、どうせついでだしね」 脚を組んで、腕組みして。 細っこい身体がさらに小さく纏まっている姿に眼をやった。 ソッポを向いてはいるが、別に機嫌が悪いわけじゃないのは分かっている。 伊達に長い事一緒にいるわけじゃない。 「…ねえ」 「ん?」 「今日はあのひと来るんだ?」 唐突に尋ねられ、答えに窮していると、これまた唐突に笑い始めやがった。 「……あは、ごめん、分かってて言ってみた」 「お前ね…、…知らねえよ」 ボソッと呟いたのは恥ずかしさと、バツの悪さからだ。 『ぜってー来んなよっ』 五日前、俺があのひとに投げつけた言葉。 「連絡は?」 「ねえよ」 あらら、と呆れた口調で言うこいつに、何も言い返せない自分が腹立たしくて。 「別にいつもの事だから、気にしてねえし。……またすぐ収録だろ?」 「まあね。 いつもの事っていえばそうだけどさ」 苦笑する顔に、イラついたのを隠すように反対の窓に額を押し付けた。 .
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