生徒会長、新庄奏

2/10
前へ
/59ページ
次へ
俺は今、生徒会室にいる。 そして、目の前には俺の憧れの人物である新庄奏が座っている。 ちなみに、今は生徒会室には俺と会長の二人きりしかいない。 生徒会長である新庄奏は、茶色でロングの髪、キリっとした、しかし、どこかに優しさの感じられる目。 というか、全体的に非のつけようの無い美貌。 スタイルも抜群で、脚を組んでいる様がなんとも言えません。 俺は、自分で思ってた以上に新庄奏にメロメロのようだった。 だが、俺はこの状況を素直に喜べないでいた。 ……そりゃそうだろ!! 理由はどうあれ、会長のあの数々の男を一度目にするだけで悩殺してきたであろう……む、むむ胸にダイブしてしかもそのまま押し倒しちまったんだからな!! 終わったわ……。 くっそ、松村の野郎……。 ぶっ潰す!! まずはだな…… 「ねぇ」 「は、はい!!」 どうやって松村を潰すかを考えているとき、新庄奏が口を開いた。 「アンタ……誰?」 「えっ……と赤嶺俊祐といいます」 「何がどうなって私の胸に飛び込んで来たか、弁明を聞こうか?」 来たぁ、どうしよ、どうしよう!! この場合、松村のことは黙っていたほうがいいのか!? 新庄奏が俺の目をまっすぐに見つめる。 ……だませねぇ。 「何、そういうことね」 ……嘘つけませんでした。 というか、バレた。 まさか、一瞬で嘘を見抜かれるとは。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

170人が本棚に入れています
本棚に追加