プロローグ

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昼休み、俺と松村はいつも一緒に飯を食っている。 場所はだいたい屋上だ。 今日も松村と一緒に屋上を目指しているのだが、その間も松村はニタニタしたまんまだ。 朝の集会が終わってから俺と話すときはずっとこの調子だ。 とにもかくにもニタニタしててもキモくならないイケメンに腹が立つので、屋上に着くやいなや俺は速攻で松村に頭突きを食らわせた。 今度は当たった。 松村は痛そうに胸を押さえて、 「急に何すんだよ!」 とこちらを睨む。 「急にじゃないだろ、ずっと俺と話すときニタニタしてたから何か腹立った。 で、何故にニタニタしてたんだ、貴様は? 」 松村は小さく、「ああ、それね」と言うと、再びニタニタしながら俺の方を見た。 そして、口を開く。 「今日の集会のとき、お前ずっと新庄奏のこと見てたろ?」 「は? 見てねーし!!」 ……なるほど、こいつのニタニタはそのニタニタだったか。 まさか見られてたとは……。 「その反応を見る限り、見てたのは間違いなさそうだな~?」 松村はいつもとは違う妙に間延びした口調で話す。 こいつって頭は悪そうで、顔だけみたいな感じするんだけど、実は、勉強させりゃ学力はかなりレベル高いし、スポーツも万能なナイスガイだ。 それに、なかなか鋭い奴なんだ。 誤魔化すのは無理か……。
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