プロローグ

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「見てたよ、ああ、見てたよ、見てましたとも!! 何か問題でも!!?」 こいつを誤魔化すのは困難と判断した俺は、開き直り戦法に打って出た。 「いや、問題は無いがアレだな何か意外だなと……」 松村はそう言いながら適当に座って弁当を開き始めた。 「何が意外なんだよ?」 俺も松村の近くに適当に座りながら昼食を取り出した。 ちなみに、俺のはコンビニのおにぎりと紙パックの飲むヨーグルトだ。 松村は玉子焼きを頬張りながらこう言った。 「いや、お前があの新庄奏に惚れるなんて意外だなと」 「いやいや、確かに、俺は集会のときに神条奏を見てはいたが、別に惚れてるわけではないぞ?」 俺は松村の俺が新庄奏に惚れてる発言に動じることなく冷静に訂正した。 しかし、それに聞く耳を持たないのが、常時エロ思考の残念なナイスガイ、松村慧だ。 俺の発言などまるで無かったかのように、話を進める。 「まあ~、お前が新庄奏に惚れるなんて意外とは言ったが、確かに誰から惚れられてもおかしくは無いよな。 新庄奏と言えば、俺から言わしてみりゃあ、男児の夢と希望の鎌足だ!! じゃなくて塊だ!! いいか、まずはあのルックス。 顔は超美人、身体も超一級品!! 俺はあそこまで完璧なまでのスタイルを持った女を、実際にはもちろん、どんな雑誌でもDVDでも未だかつて見たことがない!! あの胸、太もも、ムッチリじゃねえか!! 挟まれてぇな!!」 随分と長々と語るな……と思いながら俺はおにぎりを食べながら黙って松村の話を聞いた。 所々にあった松村の変態発言はスルー。 つーか、よかったな、屋上にいるの俺たちだけで。 とりあえず、松村の話を聞いて浮かんできた疑問。 「なあ、お前って新庄奏のこと好きなのか?」 当然の疑問だと思う。 そこまで新庄奏の魅力がわかってるなら、すでにそこに惹かれているんじゃないか、と……。
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