プロローグ

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「いんや、別に」 松村は短い言葉で答え、さらにこう続けた。 「まあ、挟まれたいとは思ってるけど、恋仲になりたいとは思わねえよ」 何を……かは決して聞かない、スルーする。 「ま、俺はお前を応援してやるよ。 まずは、何よりお前から話しかけなきゃな。 そうしねえと向こうはお前に見向きもしねえよ」 松村は箸で俺の方を指してそう言った。 「でも……、俺なんかがあんな完璧超人に相手にされるかな。 そこに難関があると思わないか?」 俺がうつ向き加減にそう言ってから松村の方を見ると、松村はそれはもう、殴りたくていてもたってもいられなくなるようなニタニタスマイルでこちらを見ながら、 「やっぱり、新庄奏とお近づきになりたいんですな」 と言った。 クソ野郎が! 応援してくれるって言ってたのに!!
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