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何故かそう言う答えがオレの脳裏に浮かんだ――
なぜだかわからないが、無性に心の中にどす黒いモヤが蠢く感覚に縛りつけられる
そんなオレの心境を察したのか、女性はコクリと頷き小さな声で答えた
「あなたは人間じゃない、だからあなたには人権は存在しない……それがあいつらの考えよ」
そう言って、女性はまたオレから目をそらして踵を返した――
振り向いてオレに背を向けて女性は右手にあるドアへ歩いていく
そして、ドアのノブに手を掛けそこで止まった
「私はあなた達を人間だと思っているわ……何かあったら私に相談しなさい、私にできる範囲で助けてあげるわ……それじゃぁ」
最後にそう言って女性はドアを開けて出て言った――
後に残されたオレの耳には自分の鼓動音とハイヒールの足音が言っていリズムで鳴り響いていた
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