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「人間じゃない……か」
ハイヒールの音が聞こえなくなり、オレは寝たままの状態で腕を天井へ伸ばす――
オレは……人間じゃないのか?
そんな思いが頭の中で駆け巡る
アイツ、なんて思うかな?
急につきつけられた言葉を復唱している内に少女の事が脳裏に浮かんだ……
アイツ……って誰だ?
自然にオレの脳内に出てきた少女のビジョン
見た目は中学生くらいでセーラー服を纏い、綺麗な黒い髪を旋毛あたりで1纏めにした短いポニーテールの少女
その少女は、ずっとオレに笑顔を向ける――
鮮明なそのビジョンは……時間がたつにつれ、ノイズが混じり――もう鮮明なイメージは思い出せなくなっていた
「あの子は……誰なんだ?」
「――君ハ誰ナンダ?」
「オレは……誰なんだ?」
「僕ハ知ッテイル……」
「オレを?」
「君ジャナイヨ――彼女ヲダヨ?」
「――!?」
オレは何をしているんだ!?
気付いたら死ぬほどの痛みを味わい、目が覚めたら知らない場所――
よく考えたら自分の事もわからない……
そんな状況でオレは頭がおかしくなったのか?
自分じゃない何かと会話していた――
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