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とりあえず、このままベッドの上で寝ていても仕方がない
そう思ってオレは体を動かしてベッドから足をおろした
つま先が床に触れると、ヒンヤリとした冷たい感触が心地よく広がる
「よいしょっと」
しばらく寝ていた体が、ちゃんと体重を支えれるか心配だったが、難なく立つ事が出来た――
そして、立つ間際――視線が白い机の上に置いてある紙の束に視線が行った
「これ……オレか?」
その紙束の一番上に添付してあった写真に写った人物を見てオレは思わず呟いた
そこに映っていた人物は、額が隠れる程度の長さの髪をした少年が映っていた
さっき鏡で見た自分の姿とはかけ離れていたが、何故だかオレはその写真に写っているのが自分だと悟った
少し髪が長く、横に流れる髪は……今のオレとは違い清潔感がある
それに肌も今より幾分か健康的で、目も生きた輝きを宿していた
「竜崎……蒼空?」
写真が添付してあった紙の右上に太い文字で4文字の漢字がプリントされていた
その響きは、何故だか懐かしくも思える……
それもそのはずだった
その4文字の漢字の左隣には小さく「生前の名前」と、書かれていた
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