竜崎蒼空、死亡

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目が覚めた…… 暗い……暗い……闇の中へ光が差し込むように、オレは目が覚めた 重い瞼を開けると、青く澄んだ空が広大に広がる風景が飛び込んでくる あぁ、なんて気持ちいいんだ―― 全てのわだかまりが抜け落ちたかのようにオレの心は穏やかだった 何も考える必要はない、そう思えた だけど、そんなオレの意識を止める声が聞こえる…… オレはこの声を知っている…… そう、この無限に広がる空を同じ名前を呼ぶこの声を……オレは知っている だけど、どうしてだろうか―― この声を聞くと何故か目頭が熱く……涙腺から滲みだす物が 無意識にオレは右手で自分の目をこすろうと顔の前まで右手を持ち上げた その時、オレは気付いた…… あぁ、オレ……このまま死ぬのか…… オレの右手は……くすんだ赤い液体で染まっていた――
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