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「何か疑問に思っているみたいね?」
顔に出ていたのか――オレの顔を覗きこむ女性は口元をクスッと笑わせながら妖しくほほ笑んだ
そんな妖しいほほ笑みを浮かべる口が、信じられない事を言った
「記憶にあると思うけど……あなたは1度死んだのよ」
死んだ……?
妖しい笑みを浮かべながら女性はオレから顔を離し、腕を組み視線を前へやる――
「あなたは彼らに選ばれてしまった……」
何故か、遠くを見つめるような瞳で女性は前を見つめたままオレに話す
「選ばれてしまった故にあなたは生き返った……私は『生き返った』と言う表現をするけど、お偉い方は違うみたいね」
……生き返った
その言葉がオレの胸の鼓動をはっきりとさせる
生きているからこその心臓の鼓動が聞こえる
だけどオレは1度死んだ
それはあの何もない闇の空間――
「あいつらはあなたの様な人間を生き返ったとは言わない、あいつらはあなた達を『人間を超越した存在』と言い……ウィザード(Wizard)と呼ぶわ」
ウィザード――
女性はその言葉を言った後、小さくため息をついた
そして首を横に振り、オレに目を向ける
「あいつらが何を言いたいかわかるかしら?」
そうオレに問いかけた
オレは急に投げかれられた質問に、頭を悩ませる――
ベットに体を預けながら、オレは考えた……
「人間……じゃない……」
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