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「持ってないってさ」
「叙述トリックをひもとけ!」
「いやみんな嘘ついてないからね!?」
「仕方ない。探すお」
風子は鍵探しに戻る。
俺も探すか…
――30分後――
「お宝、ゲットだぜ!」
「風子おてがらだ!これで帰れる!」
電気を消し、鍵をしめ二人ならんで旧部室棟を後にした。
「そういえば、ごめんね手伝わしちゃって。」
「だいじょうぶ。一人で帰るの寂しかったから」
風子はそう言って夜空を見上げた。
俺も釣られて夜空を見上げる。
秋の風が顔をくすぐった。
「先輩」
「ん?なに?」
「んー、やっぱいい」
そう言って俺の顔を見た。風子は背が低いので見上げる形になってるが。
「なんだよ、気になるなぁ…」
「じゃあ、今日は寮まで送って?」
「じゃあって…まあいいけど」
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