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それから二人はしばらく無言で歩く。
だが、気まずいわけではなく、むしろ心地好いものであった。
「先輩。送ってくれてありがと」
「うん。また明日」
女子寮の前についたら風子が手をふりながら入って行った。
俺もあわせて手を振る。
風子を見送り、自分の家に向かって歩きだした。
二人の時は感じることなどなかった寂しさが、急激に俺を襲う。
ふと、だれかに見られている感覚に陥った。
どこからだ…?
後ろ?前?上?横?
はぁ…気にしすぎだ。
とっとと帰ろう。
俺は足早に家への帰路をたどった。
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