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（どうやってこの場から逃げ出すか…）
今、俺の心は逃げ出すことでいっぱいだ。
学年なんて気にしていられない。
俺が危機的状況から脱するべく眉間にシワを寄せていると、部長から通信が入った。
『その娘を勧誘してこい!!』
俺はインカム越しに声高々と宣言する部長に対し、全力で言いたいことを言ってやった。
「どこで見てるんですかっ!?この覗き魔！！」
『失敬な。いいか、勧誘できなかったら罰ゲームだからな？』
「どんな罰ゲームですか？」
『そうだなぁ…千手観音（せんじゅかんのん）をおまえのケツにぶち込む。萩原が。』
「ねぇねぇ、キミ。名前はなんて言うの？」
俺はすぐに部長との通信を切断し、弥勒菩薩な少女と向き合った。
「中村悠希（なかむらゆうき）。趣味は……秘密ってことで！」
「わかった。あ、中村さん。部活やってる？」
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