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「グォ~グォ~ガォ~」
相変わらず可愛くない寝息――いえ、もう普通に鼾と良いましようか。
リン! リン! リリリリン!
「ん……」
リリリリン! リリリリン!
「んん~っ」
リリリリリリリリリリリ……。
「あーもーうるせーっ!」
あ、アリスが起きたようです。
「何の音やろ……さっきの――――ってあれ!?」
アリスは辺りを見渡しました。
すると、そこにはさっきの木は無く、不思議な光景が広がっていました。
不気味な形をした木。
空には風船のような雲。
道端には尖った草。
――等々見たことのない光景です。
「此処どこやーっ!」
叫んでみたものの……アリスの声は虚しく空へ消えて行きました。
「……あ! そうや、さっき寝る前に弓道のお稽古もサボって不思議の国のアリスのDVD観てたから、その夢を見てんねんな!
いやー私、同じ名前やし同じくらい可愛いいから憧れてたんだよねー」
二つ目には突っ込みたいところですね……。
「うーん。始めは時計ウサギが出てくるんだよね、確か」
すると、アリスの前方から一匹の時計を持ったウサギが駆けて来ました。
「大変だ! 急がなきゃ、急がなきゃ!」
そう呟きながらウサギは、そそくさとアリスの横を通り過ぎて行きました。
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