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空中から落とされた祐。落ちている最中ではバランスをとれずに地面に叩きつけられる
全身に広がる激痛でかすれるような声が祐の口からでる
海凪が慌てて回収しようとするが敵に邪魔されて行けずにいた
いくつかのかわいた音が辺りに響く、海凪の怒りの表情が絶望に変わっていった
祐「痛っ…な、に…が…」
敵が撃った弾丸が祐の体を貫いていた
祐(体中が痛い…目蓋が重たくなってきた……これは…死ぬか、な…)
そこで祐の意識が途切れた
敵は黒いオーラに包まれて消えてしまった。海凪は祐に駆け寄り
海凪「おい!しっかりしろ!」
男の声『…転送陣を開いた、早く運べ!』
海凪「わかった!」
海凪は祐を抱えて転送陣へと跳躍する。その時、祐の体温は失われつつあった
男の声『転送』
海凪と祐は光に包まれてその場から消えてしまった
そこはまるで廃墟のような建物だが、電気、水道、ガス、魔力がしっかりと通った建物、その建物の会議室で
海凪「功司、すまねぇ…」
功司「気にするな、俺にも落ち度はある。しかも悪い偶然が重なりすぎた…とりあえず、来週お前は第八部隊として大会に参加しなければならない。訓練場で腕を磨いておけ」
海凪「…ああ…」
そう言って海凪は会議室から出ていく。その後会議室の電話が鳴る功司は受話器をとり
功司「何だ?…俺だが、来たか。会議室に呼んでくれ」
そう言って功司は電話を切る。しばらくして会議室の扉が開く
冬美「第八部隊、ポジション・探索兵、小実島冬美(こみじまふゆみ)只今到着しました」
功司「うむ、いつ見ても可愛いな」
冬美「嫌ですよ、部隊長に言われても何も嬉しくない」
冷たい表情で返す冬美
功司「はっはっはっ、すまないすまない。まぁそれはさておき」
功司が真剣な顔つきになり
冬美「あの子の探索ですね…それが、少しまずいことになりました」
困ったような表情で答える
功司「何があった」
冬美「あの子の転送先が…これから丁度戦場になるんです」
功司は立ち上がり
功司「外出の準備だ、海凪にも声をかけろ、訓練場にいる」
冬美「は、はい!」
冬美は慌てて会議室を飛び出し、訓練場に向かった
功司「重なる時は本当に重なるものだな…」
ボソッと一言いって功司は会議室を出ていく
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