鈴橋涼が消えた日

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誰も俺と視線を合わせない。見ようともしない。ただ、陰口を叩くだけ。 や、聞こえてる時点で"陰"口じゃないよね。でも本人たちが陰口だと思ってるみたいだからそういう事にしといてあげている。 俺優しい。 という訳で(?)オハヨウゴザイマス。もしくはコンニチハ。あるいはコンバンハ。でも小説内では朝だからオハヨウゴザイマス。鈴橋涼と申します。 年齢は17で、身長176の体重66。スリーサイズは上から…………え? 要らない? 止めてくれてありがとう。ちょっとオーバーランした。 迷い猫じゃないよ。 俺は今登校中です。「ガムがくっ付いて動けなかった」とか無茶な言い訳をするツンデレ幼なじみはいません。1人です。ロンリーです。一匹狼なんです。 因みに、一匹狼と言えば格好いい感じがするけど、本当の一匹狼は群れを追い出された可哀想なヤツなんだよね。 俺だね。 俺はとある魔術のじゃなかった、とある理由により周囲の人間から敬遠されている。おかげで俺はいつも1人だ。いや、独りだ。 昔は寂しくて寂しくてたまらず、友達を作ろうと躍起になっていた。でももう無理だ。諦めたよ。 俺がどんなに頑張っても誰も見方を変えてくれないんだ。ヒドいよな、俺は何も悪い事してないのに。 まあ今はどうとも思っちゃいないがな。1人は1人で気が楽でいい。 そんな事を思いながら、嫌な視線の中を歩いて行くのだった。
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