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青く澄みきった空は、無限に広がっていた。屋上で食べるには、気持ちのいい晴天だった。
「長月って…頭、打った?」
オレ…師走成也は、若丸からもらったカレーパンを頬張りながら、さっきの光景を思い出す。
「俺が思うには…精神異常と…頭の打ち所が悪かった…ってとこかな?」
すでに焼きそばパン&カレーパン1つずつ食べ終わった若丸は、さらに持参したおむすびを頬張りながら、『怖い怖い』と呟く。
廊下で、突進してきた長月の形相。真剣に見つめる目。
とても正常ではなかった…(ΘoΘ;)
カレーパンを半分食べ終えたところで、オレはあることに気がついた。
「なぁ…若丸…。さっき…カレーパンの代金として、150円払ったけどさ…確かカレーパンって100円じゃ…」
それを聞いた若丸は、チッ…と軽く舌打ちをする。
そして、ニヤッと笑うと…。
「…争奪戦の中から、勝ち取った品物だからな。その分、割高になっておる」
「おい、コラ」
「たったの50円じゃね~か。ケチケチすんなよ♪カレーパンが手に入っただけでも、ありがたく思いな」
「…………」
若丸は気にする様子もなく、口笛を吹き始める。
そんな若丸を見て、『まっ、いっか』と思っている自分がいる。
今に始まったことじゃないし…。
(昔っから、全然変わらないよな…。まぁ…それがコイツのいいところか?)
おむすびを嬉しそうに頬張っている若丸を見て、オレはそんなことを思う。
若丸は、いい意味でピュアで…素直じゃない時もあるけど…誰とでも友達になれるような。そんな雰囲気を持っている。
そして…
あの事件の辛さも見せず…強く生きている彼を…オレは、親友として誇りに思っているんだ。
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