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一瞬、俺は耳を疑った。
(今…“ホモ”って聞こえたような…?)
「…………お前、何言ってんの?」
「日本語です」
「そりゃ、わかるよ。今のは英語にも中国語にも聞こえなかったから…」
「じゃ…今の質問、もう一度言いましょうか?」
「いや、いい…。やっぱり…ホモって…ホモセクシュアルのことか?」
確実に、あっち系のことだと思うが…。俺は、とりあえず聞いてみる。
「……?何ですか?その…ホモ…セ…?」
長月は、不思議そうに首をかしげている。
俺は遠い目をしながら、淡々と答えるのだった…
「ホモ=ホモセクシュアル=男の同性愛」
「ホモって、そんなに長かったんですか!知らなかった…。でも…なんで…確かめるように聞いたんですか?」
「他にも意味があるから。ラテン語でのホモっていうのは、人類・人間という意味がある。ついでに言うと、ホモザビエンスっていう現生人類の学名もあって、時々、略して呼ぶことがあるんだ…」
言葉の意味を調べるために辞書をひいた時、偶然にこれが載っていた。
もともと、何を調べたかは、忘れちゃったけど…。変なことだけ、覚えちゃった。
「スゴい!尊敬~♪ヘヘッ、余計に好きになったみたい…」
「…はいっ?」
長月の爆弾発言に、再び俺は、自分の耳を疑うことになる。
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