事の始まり

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(今、何て言った!?)  俺のことが好きだ…って意味に聞こえたんだけど…!?     気のせいだよな!? いや…気のせいであってくれ… 「僕、若丸クンのことが好きなんだ」  ニコニコしながら、長月はそんなことを言ってきて…!? (さっきのは、聞き違いじゃなかったのか…)  聞き違いだったらよかったのに…  あぁ…これが嘘だったらいいなに…  でも長月は、『冗談だよん♪』って言うわけでもなく、否定もしない。    ピシッ…     ガラガラガラ…  俺の心の中で、小さな若丸Jr.が石像になり、それが一気に崩れ落ちた。  それと同時に、悪寒が走る。 (こいつ…ホモかよ…だからさっき『僕がホモだったら』って…。…ん?待てよ?) 「長月、さっき『僕がホモだったら』って質問したよな?…だけど、その質問は間違ってる!『ホモだったら』じゃなくて、『ホモなんだけど』の間違いじゃ!」 「…変なとこ、気にするんですねぇ」 「それはいいとして、言っておくが、俺はノーマルだからなっ!しかも、ホモはごめんだ!」 「でも、僕は若丸クンが好きです」  そう言って長月は、またニコニコッと…。  動揺もせず断言してしまう長月に、俺はもう…何も言えずにいた。 (これからの高校生活…どうなってしまうんだ!?)  …と、頭を抱える俺だった…
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